真っ暗な部屋で目を覚ました。だがそこはいつもの部屋のいつもの布団の中ではなく、リビングのテーブルの下だった。なぜこんなところに?いくら考えてもわからないので、仕方がないと体を起こしたその時、洗面所へと続くドアの向こうに誰かがいることがわかった。・・・誰だろう?洗面所もこの部屋と同じように真っ暗だ。そこに誰かがいるのであれば、電気がついているはずなのに ─── そこまで考えたとき、一つの感覚が襲ってきた。
戦慄!ドアの向こうにいる奴は、明らかに僕に殺意を向けている!!
相手の姿こそ見えないが、その眼光はしっかりと僕の姿を捉えているのがわかった。心臓を鷲づかみにされたような感覚が広がっていく。だが、同時に疑問も湧き上がる。ドアの向こうにいるのは誰で、どうして僕に敵意を向けてくる?ついさっきまで完璧といっていいほど無防備だったのに、なぜ襲ってこなかったのか?果たして、僕はこの状況を打破することができるのだろうか?そんなことを考えても答えは出てこない。それよりも今、僕にできることは ───
僕は叫んだ。声にはならなかった。