真冬の夜の夢

目が覚めた時、隣のリビングが妙に明るいのが気になった。時刻は午前の4時半。誰も起きているはずがない。体を起こして、リビングを覗いてみる。光だ。洗面所の方、トイレか?・・・いや、風呂場だ。誰かが風呂に入っている?まさか。こんな時間に。ありえない。きっとこれは誰かが電気を消し忘れただけだろう。普通に考えればそうだ。でも、もし・・・それ以外の理由だったとしたら?そう考えた瞬間、ぞっとした。

仕方がないので風呂場へと行ってみる。予想通り、灯りが点いているのは風呂場だった。じゃあ誰かが入っているのだろうか?いや、そんな気配はない。少なくとも、生きている人間はそこにはいない。じゃあ、生きていない人間だとしたら?ちくしょう、そんなこと考えたら怖くて開けられないじゃないか。一番最悪なパターンは、見知らぬ何者かがそこにいるよりも知っている誰かがそこにいる場合だろう。

というわけで、家族全員の部屋を巡って (たったの二つだ・・・簡単なことだ)、全員が無事に寝ていることを確認した。これで最悪の事態は回避された。意を決して風呂場の扉を開けてみる。案の定、そこには誰もいなかった。開け放たれた窓から風が入りこみ、ガタガタと窓枠を揺らすだけだった。

2006-02-03T04:56 撮影

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