簡単な導入部
第一回、第二回と実は自分がメインで聴くジャンルではないものを紹介してきたので(ゲーム音楽は割と聴きますが)、ここは一つ原点に返って自分が音楽にのめりこむきっかけとなった洋楽ロックから、特にその中でも最初の最初にハマった曲、Godley & Cremeの4thアルバム「ISMISM」収録の大ヒット曲「Under Your Thumb」を紹介したいと思います。
簡単なGodley & Cremeの紹介
Godley & Creme、といってもあまり知っている人は多くないと思いますが、10CCのオリジナル・メンバーといえばわかる人は多いかもしれません。10CCとはKevin Godley、Lol Creme、Eric Stewart、Graham Gouldmanの4人が1972年に結成したグループで、このメンバーでは4枚のアルバムを発表しています。特に3rdアルバムに収録された「I'm not in love」が大ヒットしますが、1976年にKevinとLolの二人はグループを抜け、Godley & Cremeを結成します。二人は曲を作りながらプロモーション・ビデオの監督としても活動し、自身の曲に加えThe Policeの「Synchronicity」やPaul McCartneyの「C'mon People」、George Harrisonの「When We Was Fab」など多数のビデオを作っています。
簡単なISMISMの紹介
1981年に発表されたISMISM(アメリカではSnack Attackというタイトルで発売)は、それまでとはうって変わってラップ調の曲が多くを占め、リズム・マシンを多用したロックというよりテクノ色の方が強い?アルバムです。とはいえ、独特なサウンドは相変わらずで、地味ながら名曲揃いのアルバムになっていると思います。シングル・カットされた「Under Your Thumb」と「Wedding Bells」はどちらも英チャートの上位へ入り、セールス的にも一番充実したアルバムなようです。日本ではCD化されましたが、すぐに廃盤になったらしく、また海外ではCD化も長くされていなかったのですが、最近、3rdアルバムの「FREEZE FRAME」とカップリングされて再販されたばかり(もちろん洋盤だけですが・・・)なので、とても入手しやすいです。さらにリマスタリングに加え激レアなボーナス・トラックまで収録されてるとあって、ファンとしてはただ感謝するばかりです。本音を言えば2in1じゃなくて別々に販売してオリジナル・アートワークを再現してほしかったというのはありますが・・・(笑)
簡単なUnder Your Thumbの紹介
先ほどラップ調の曲が多くを占める、と書きましたが、この曲と同じくシングル・カットされた「Wedding Bells」はとてもメロディアスな曲です。「Wedding Bells」はタイトルとは裏腹に結婚生活の悲惨さを皮肉った曲で、「Under Your Thumb」はオカルトな歌詞の曲ですが、なんといってもその美しい音が印象に残る曲です。軽快なシンセ音に軽快なリズムマシン、つらつらと歌い上げるKevinの声がとてもよく調和し、二人の楽曲の中でも特に完成度が高いです。さらにフェードアウトで終わりかと思いきや再びフェードインしてまたフェードアウト・・・という構成もこの曲を強烈に印象づけます。
しかし、これを書くにあたって何回も聴き直してみたんですが、やっぱり飽きない曲ですね(何回も聴き直してこの程度の内容しか書けないのか、というツッコミは勘弁)。ちょっと毒が足りないかな?という気もするけど、これはこれでカッコイイ。アルバム全体として考えると2ndアルバムの「L」や「FREEZE FRAME」の方が秀作だとは思うけど、「ISMISM」には音に安定感もあって安心して聴けるのが強みですね。
簡単な余談
ちなみに、「FREEZE FRAME / ISMISM」のカップリング以外にも、1stの編集盤と2ndをカップリングした「Music from Consequences / L」、5thと6thをカップリングした「Birds of Prey / History Mix, Vol.1」も発売中なのでファンの方はあわせてどうぞ。この際、せっかくだから最後のアルバムとなっている「Goodbye Blue Sky」やビデオのみのリリースだった「Mondo Video」、ビデオ版「Changing Faces」なんかも復刻してくれるとありがたいのになぁ。あ、もちろん新作も大歓迎ですよ(笑)というわけで、今回は「Under Your Thumb / Godley & Creme」の紹介でした。