よし、書こう。
先日ちょっとだけ触れた
gameonlineの管理人が逮捕、に関する話題です。ハメコ。さんという方（CDJの時はお世話になりました、ってロケテレポを後日書くと言って書いてないや）が自身の日記に書かれた文章で
ゲーム好き司法素人の著作権侵害行為に対する論考 : No.1というのがあります(INT.さんの日記や与作さんの日記からもリンクされていたので既にご存知の方は多いでしょう)。それについてちょっと書いてみようと思います。
基本的には同意できる内容なのですが、一点だけ「あれっ？」と思うところがあります。それは動画の公開です。確かに、現実的に訴訟にまで至ったケースはないかもしれません。けれど、それが裁判まで至らなかったとしても、メーカーに損害を与えていないとは言い切れないものです。
前に、こんな文章を目にしました。某社の人(重要ではないので社名、個人名は伏せます)の個人サイトの日記に書かれたもので、要約すると
「某シューティングゲームのスーパープレイDVDを会社で作ろうかと思ったが、既に個人製作のものが流通しているようなのでやめた」というものでした(そのサイトの日記はログを残さないものだったので微妙に間違っているかもしれませんが、大筋としてそんなものだったと思います)。ここで指していたムービーが無償配布だったのか有償配布だったのかはわかりませんが、結果的にDVDが発売される事はありませんでした。残念なのは、この配布がなければ多数の人が見られたかもしれないスーパープレイが一部の人だけのものに終わってしまった事です。スーパープレイはゲームをプレイする人なら当然、しない人でも(ゲームによりますが)楽しめるものです。そして、そのゲームをプレイしない人が興味を持つのに十分なものでもあります。つまり、メーカーとしてはDVDの利益と新規参入者のもたらす利益を同時に失った事になります。個人的にも好きなゲームだったのでこの事は非常に残念でした。
改めて書かなくてもわかると思いますが、その配布が
例え100%の善意、1銭も儲けようと思わずに行われたものであっても結果は同じです。一時的にはDVDと同じように興味を持つ人も出てくるかもしれませんが、現実的な問題として流通の範囲、画質を含む映像としての完成度、そして情報を手に入れられる期間(特に無料サーバで大きなアクセスがあった場合、すぐにサーバから消される事がある)はメーカーのDVDに及ばないものです。メーカーとしても裁判を起こしても会社の印象が悪くなるだけだろうし(特に配布が無償であったらなおさら)、余計な経費や時間もかかるのでやらないでしょう。そしてこの事は配布した人にはもちろん、誰にも知られる事はなく闇へと葬られます(ここには推測が多分に含まれており、実際は違うかもしれません)。
もちろん、ハメコ。さんのケースでは既に発売後数年が経過したゲームですし、現実的に考えて動画がメーカーから発売される可能性は皆無に等しいと考えられます。ですが、それは動画を公開していいという理由にはなりません。
注意してほしいのは、その行為によってメーカーに不利益を与えている可能性がある事、メーカーには告訴の前に警告を出す義務はない事です。もちろん著作権法違反は親告罪ですので、私がどうこう言う事ではありませんし、実際にそのように公開された動画をダウンロードした事も何回もあります。
そして勘違いしないでほしいのは、ハメコ。さんをはじめとする多数の動画を公開している人たちを非難したいというわけではないという事です(個人的には、有償で配布している人はその内容に関係なくやめるべきだと思っていますが)。
Winny開発者の逮捕、gameonline管理人の逮捕と著作権に関する事件が立て続けに起こりました。確かに、ネットワークの急速な進歩で著作権に関する事がどんどんあやふやになってきています。ですが、今ここで一度考え直すべき時が来ているのではないでしょうか。著作物は著作者がいなければ成立し得ないという基本原則をもう一度踏まえた上で、各個人が責任のある行動をとってほしいと思います。
＃ちなみにこの日記は日ごとにログを取らないので、リンクする場合は「ここの2004/5/23の日記」などと一緒に書いてくれるとありがたいです。
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